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第73回自動車技術会賞 論文賞受賞

当社の技術者、武藤直気氏が公益社団法人 自動車技術会主催の「第73回自動車技術会賞」において、論文賞を受賞しました。

自動車技術会は1947年に設立され、自動車に係わる研究者、技術者、及び学生の会員約47,000名、企業会員約700社から構成される工学系では日本最大の学術団体です。
自動車技術会賞は、自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励することを目的としては設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対し贈られています。

この度の、受賞の対象となった「Risk Predictive Path Planning Considering Multiple Targets by Using Risk Potential Optimization Theory」は、当社の武藤氏のほか、トヨタ自動車株式会社の技術者の皆さんとともに研究を行ったものです。

論文では、一般道での「歩行者の横断」、「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたヒヤリハットに関するリスクポテンシャルをあらかじめ先読みすることで、危険に近づきすぎないように緩やかな操舵(ステアリング)やブレーキなど、運転を支援する技術について発表しています。

当社は、今後も成長、発展する車載市場において技術の向上を図り、皆さまの安全・快適・便利な社会を支えていきます。

受賞におけるコメント (株式会社アイ・エス・ビー 武藤)

本受賞は、トヨタ自動車様(以降同社)とのビジネスパートナーシップのもと、ご協力いただいたメンバー全員で得られた結果と考えています。この論文に記載されている技術は、すでに製品化され、同社から発売されている数多くの車種に搭載、全国で走行し、安全をサポートしています。今後も、当社の得意分野であるソフトウェア開発を通して、自動車業界の急速な技術の発展に貢献し、ひいては交通事故ゼロ社会の実現に貢献したいと思っています。

受賞におけるコメント (トヨタ自動車株式会社 井上様)

本受賞は、経路生成技術に関する研究内容です。複数の対象物を回避する経路生成モデルの開発は、考慮すべき条件が多岐にわたり非常に難しい技術開発でした。そのような状況の中、モデル設計に加えて、シミュレーション評価環境構築やデータ分析など、アイ・エス・ビー様の技術知見を活用させていただきながら、まさに一蓮托生の形でトライアンドエラーを一緒に進めることが出来ました。論文として結実できた達成感は、格別なものとなりました。有難う御座いました。

「第73回自動車技術会賞」論文賞

論文テーマ

Risk Predictive Path Planning Considering Multiple Targets by Using Risk Potential Optimization Theory

受賞者

株式会社アイ・エス・ビー 武藤直気
トヨタ自動車株式会社様 4名

受賞理由

一般道での歩行者等を追い越す場面で、「飛び出してくるかもしれない」を先読みしながら、あらかじめ緩やかな操舵(ステアリング)やブレーキを支援する技術は、運転支援領域の延伸につながる。対象場面の難しさは、対象物標(*1)に加えて、周辺の複数物標に対しても各々の位置、相対速度を同時に考慮しながら最適な目標経路を演算する必要がある点である。この課題を打開すべく、本論文ではリスクポテンシャル最適化理論を応用させた。従来のルールベースでは、限界のある複数物標シーンの取り扱いを容易としながら、更に、リスクポテンシャルの重なり具合を判定し、この判定に応じて緩ブレーキ量を決定させる前後・ 横方向の統合制御を実現させている。本技術は製品化に結実されており、学術的、産業的にも意義が大きいことから、本論文は高く評価される。

(*1)物標:その位置と運動が、レーダーでの距離と方位の測定によって決定される、固定又は移動の対象物。

*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。